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第45章 新たな日々

　この娘チェ・ケトンは見かけは風が吹けば折れそうな儚げな美女だが、芯は強い。折れるどころか、逆風に耐えてより美しく咲く類いの花なのかもしれない。


　ボクスは面を上げ、ケトンを見た。


「俺で力になれるなら」



　言葉は少なかったが、彼の決意は余すところなくケトンに伝わったようであった。



　突如、ケトンが白い頬に朱を散らす。狼狽え眼を背けるのに、ボクスは首を傾げた。



「どうかしたんですか？」



　ケトンはまだあらぬ方を向いたまま応えた。消え入りそうな風情だ。



「ね、お願いだから、早く服を着て」



　ボクスは改めて我が身を見た。確かに怪我の治療のため、上半身は裸である。しかし、今更ではないか？