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第45章 新たな日々

　だが、と、彼は自分を戒める。



　もう二度と女に惚れるのはご免だとあれほど痛い想いをしたはずなのに、俺はまだ懲りていないのか。



　しかも、ケトンはミスと境遇が酷似している。ミスもまた町では名の知れた豪商の一人娘であった。ケトンがミスと同じように女神の仮面の下に怖ろしい正体を隠し持っているとは限らない。


　けれども、住む世界が違いすぎるという点では、ミスとの関係と何ら変わらないではないか。現に、お袋はミスと結婚すると告げた時、あれほど反対した。その日暮らしの漁師と大富豪の令嬢では、育った環境が違いすぎる。