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ガトーフレーズ
第4章 mousse
薬指に光る、誰もが知っている高級ブランドの指輪。
(私には、高級品すぎる……)
雪の華がダイアモンドに触れて、溶けた。
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男と出会ったのは、青山のバーだった。
といっても、客同士ではなく、莉乃はカウンターの内側にいた。
一年と少し前のそのころ、莉乃は昼はカフェで働き、夜も週に何回かそのバーで働いていた。
「綺麗な指だね」
カクテルを差し出した手をいきなり握られた。
熱くて、長い、大人の指だった。
(私には、高級品すぎる……)
雪の華がダイアモンドに触れて、溶けた。
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男と出会ったのは、青山のバーだった。
といっても、客同士ではなく、莉乃はカウンターの内側にいた。
一年と少し前のそのころ、莉乃は昼はカフェで働き、夜も週に何回かそのバーで働いていた。
「綺麗な指だね」
カクテルを差し出した手をいきなり握られた。
熱くて、長い、大人の指だった。