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もう奴隷のように犯されるのはイヤ…
第3章 【家庭教師として派遣されただけなのに】




「あっ……あっあっ……イク…っ」
「ハァハァ、俺も出すぞ…っ」


某ビル内の誰も来ない旧会議室。
資料や荷物の置き場となっていて、人が3〜4人入れば狭いと感じるほどの広さ。
天井も低く資料棚に手をついてバックで入り乱れるのは派遣社員である私、山本多英と人事部担当の小杉という男。
今の世の中、働き方改革だの何だの言ってるけど、結局最初に切られるのは派遣ばかり。
更新月に限らずこうして私は小杉に身体を許し、派遣切りを免れている。



「昨日、嫁とシたのに早かったな、多英のオマンコさすがだわ、また宜しく頼むな?」



「こちらこそ、宜しくお願いします」



クビ切らないでね、て意味。
乱れた服を整えて小杉が先に出る。
時間差を装い、持ち場に戻るとまた小杉に呼ばれた。



「来月の頭から夕方はこちらに派遣お願い出来ますか?」



日中の職場は閑散期もあり、早めに退社させられることも多い。
ほぼ毎日、固定されて収入があるのは有り難い。
しかも日中稼ぐ額とさほど変わらない。
時間はたったの2時間半。
え…?家庭教師…?



「山本さん、S女子大出身でしょ?結構偏差値高いじゃない、山本さんなら安心して任せられるかなっと思って」



家庭教師は大学在学中に何度か小中学生を対象にアルバイトしたことがある。
出来なくはないけど、大学名を出されると一瞬怯んでしまう。
ブランドがつくほどの有名校だし、卒業生はほとんどが年収一千万越えだとか。
そんな人間が何故こんな場所で、しかも派遣で居るのか。
そんな好奇な目が向けられているのだと嫌でも感じてしまうからだ。
どうせ思ってるんでしょ。
あぁ、コイツ挫折組か……て。



「その方ね、うちのお得意さんだから粗相のないようにね」



渡された資料に目を通す。
二階堂実光……51歳……◯◯貿易勤務。
二階堂伸也……18歳……◯◯大学医学部受験一狼中。
彼も挫折組か。
医学部を目指しているのに、家庭教師が私で良いのか?



「あの、私では不適任では……」



「あぁ、大丈夫、表向きでは家庭教師だけど、まぁ…行ってみればわかるから」



益々怪しい。
でもこの金額はデカい。
たったの2時間半で派遣1日分の8時間労働した日給に値するのだから。
一度行ってから続けるかどうか決めてみようと思った。







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