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もう奴隷のように犯されるのはイヤ…
第5章 【同窓会の夜……酔い潰れて目が覚めたら】
「それでは10年ぶりの再会に乾杯!」
同級生が経営しているバーを貸し切って総勢40人ほどの中学の同窓会。
20才、30才…と10年刻みで開催されていたが仕事や地元に帰れなかったりと参加出来なかったが、40歳になって初めて参加出来たのだ。
それも、当時の親友であるエミがFacebookで呼びかけてくれたから繋がったわけで。
卒業以来会っていなかったということもあり、今回は参加したいと思った。
お互いあまり変わってなくて笑い合う。
お店はビュッフェ式でワイワイと席を移動し合って旧友との再会を楽しんでいた。
幹事である人にも「よく来たなぁ!久しぶり!」と言われはにかむ。
40代ともなれば、見た目は変わった人も居る。
皆、それぞれに歳を重ねたわけで、当時はヤンキーで近寄り難かった男子たちもだいぶ性格が丸くなり、経営者であったりしっかりと地に足が着いていた。
「宇津井さん、久しぶり」
そう私に声を掛けてきたのは当時、好きで長い片思いの末、私から告白した彼だった。
後にも先にも人生で一度だけ、告白した相手。
すっかり老けてたけど、優しそうに笑う顔は当時を思い出させた。
「久しぶり……そういや告白したの覚えてる?」
「やんな?してくれたよなぁ!勿論覚えてるで」
「アハハ、覚えてくれてたんや」
「だってちゃんと告白してくれたの宇津井さんだけやもん」
そうか、此処では当たり前だけど旧姓で呼ばれる。
それが擽ったくて当時の淡い恋心を再燃させていく。
私には夫が居る。
今も子供を見てくれているし、快くこの同窓会へ送り出してくれた。
これからも愛するのは夫だけ。
夫以外の人とだなんて考えられない。
「ちょ、隣座って話そうや」
「……うん、いいよ」
最初の乾杯音頭から少し時間は経っている。
良い感じにほろ酔い気分でもあるし、当時はこんな風に隣同士で座って話すなんて顔から火が出るくらい緊張したし音が聞えちゃうんじゃないかってくらいドキドキしてたと思う。
それが今ではお互い歳を重ね、落ち着いて顔を見て楽しく話が出来る関係に一瞬でなれていた。
ガヤガヤうるさい店内でも、私たちだけ25年前にタイムスリップしたかのような、そんな錯覚さえ覚えていたの。
近くで見れば見るほど好きだった気持ちを思い出していた。