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A crescent moon
第7章 密会
部屋を出ようとして腕を捕まれた。
「...一緒にいけなくてごめん...」
「別に...あなたは関係ないもの...」
私が会いたかっただけだから。
彼は別に私を愛してるわけではないから。
私が言うと、ギュッと抱きしめてくれた。
「...最後かな...」
「..ええ....きっと...もう...会えない...」
会えない。
会いたい。
会えない。
ゆっくり顔をあげると唇を重ねる。
触れるだけのキスをして、私は背を向けた。
「...さよなら...」
「......うん。」
閉まる扉を振り返りたくなる衝動を押さえ、早足にエレベーターに向かう。
さっきまでの幸福感なんて嘘みたいに、消えてなくなっていたー