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A crescent moon
第16章 遥走
「お前、携帯でなかっただろ?」
「あ、すみません。今日は邪魔されたくなくて電源切ってて…連絡しました?」
「…っ…とにかく、お前ちょっと話があるんだよ。」
「…」
ヨシキも高坂さんのただならぬ雰囲気に気づいたのか、次第に表情が固くなっていった。
「美和、高坂さんの部屋で話してくる。」
「あ、お茶…」
私が言うと、高坂さんはいらないと答えて、さっさとヨシキと部屋に入っていった。
私の気持ちに気付いたのか、ヨシキが私の頭を撫でた。
「心配しないで。」
その言葉に頷くと、彼も部屋に入っていった。