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A crescent moon
第14章 進退
「良子!おめでとーう!」
「タクト、幸せんなれよ!」
タクトさんに腰を支えられ白いウエディングドレスに身を包んだ良子が現れると、元同僚と私たちは歓声をあげた。
「良子、きれいね!」
隣で涙目で元同僚の美智代が涙声で言った。
「うん、ほんとに。綺麗…」
良子、幸せになってね。
心の中で呟くと良子が私を見つけて駆け寄ろうとした。
タクトさんがそんな彼女を慌てて止める。
そして何かコソコソ言うと二人揃って私の所へきた。
「もう、赤ちゃんいるんだから走っちゃダメでしょ?」
近づいてきた二人に私が言うと、良子がはへへっと笑った。
良子のお腹には3ヶ月になる赤ちゃんがいた。
つわりがあまりなく、まったく気づかなかった彼女に私たちは呆れながらも祝福した。