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第49章 366日

「先生。」
「風香《フー》ちゃん。」
「お洗濯物をしまいました。」
「ご苦労さん…風香《フー》ちゃん…漢検を受ける日は11月の第一日曜日よ…受験勉強はしている？」
「あっ、はい。」
「先生はこれから出かけるから…お夕飯は、ダイニングのテーブルにあるわよ…お留守番…お願いね。」
「はい。」

このあと、ゆきさんはホテル内にある展望レストランへ向かった。

ダイニングテーブルのいすに座った風香《フー》ちゃんは、テーブルに置かれているお弁当で夕食を摂った。

お弁当は、現地の日本食レストランのテイクアウトの幕の内弁当である。

時は、夕方６時50分頃であった。

ところ変わって、ホテル内にある展望レストランにて…

展望レストランの特大テーブルにイワマツグループの全メンバーたちが集まっていた。

テーブルの上には、なにも置かれてない…

Ｂ・Ｃの２班は全員そろっていた。

Ｄ班は、ポムじいさんとゆみさんの二人だけであった。

Ａ班は、ゆきさんがまだ来ていなかった。

エレンさんは、ロスアンゼルスでひらかれているカリフォルニア州の弁護士会の総会に出席しているので、きょうの会合は欠席した。

会合は、2002年11月から12月までの分の補正予算案と2003年１月から向こう30年間の予算案の審議である。

この時、ゆかさんは右腕につけているベイビーＧ（カシオ腕時計）を見ながらソワソワしていた。

ゆりさんは、困った声でゆかさんに言うた。

「ゆきおそいわね…」
「困った子ね…もうすぐ７時だと言うのに…」

この時であった。

ゆきさんがアタフタした様子で店内に入った。

「おまたせしました〜ごめんなさい〜」

ゆりさんは、おどろいた声でゆきさんに言うた。

「ゆき、どないしたん？」
「おかーちゃんからコレクトコールが来たので、困っていたのよ〜」
「（ゆかさん、困った声で言う）またおかーちゃんがコレクトコールをかけてきたのね。」
「せやけん、ものすごく困っていたのよ〜」
「ゆき、早く座ってよ…会合を始めるわよ。」
「ああ、ごめんなさい〜」

ゆきさんは、ものすごくあせった表情で所定の席についた。

このあと、大番頭《おおばんと》はんの司会によるイワマツグループの全体会合が始まった。