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乳房星(たらちねぼし)−1・0
第50章 わかってない
時は、日本時間の午後3時半頃であった。

またところ変わって、大番頭《おおばんと》はんの家の特大広間にて…

家の広間のテーブルに小松島まき・たくみ夫婦といとと哲人《てつと》の4人が座っていた。

まきは、いとのメイゴでゆりさんたち7人姉妹のイトコにあたる人である。

たくみは、テーブルの上に書面がぎっしりとつまっている大きめのふうとうをいとに差し出した。

いとは、ものすごく困った声で言うた。

「これはなに?」

まきは、過度に優しい声でいとに言うた。

「伯母様《おばさま》、うちらは哲人《てつと》さんに幸せになれる縁談《ハナシ》を持って来たのよ~」

いとは、ものすごくあつかましい声でまきに言い返した。

「あのね…君波《うち》ら親類一同は、いかなる形であっても哲人《てつと》の結婚は大反対を唱えているのよ!!」
「あら、どうしてですか?」
「哲人《てつと》が大学の研究室に居座っているからよ!!」
「哲人《てつと》さんは、まだ京田辺市《きょうたなべ》の大学にいるのですか?」
「そうよ!!大学の研究室の主任になったとわけの分からないことをいよんよ!!」

まきは、ものすごく困った声でいとに言うた。

「伯母様《おばさま》は、哲人《てつと》さんにどうしてほしいのですか?」
「だから、大学の研究室をやめてサラリーマンになってほしいのよ!!」
「伯母様《おばさま》は、哲人《てつと》さんが大学で研究することがそんなに不満なのですか?」
「ええ!!不満よ!!…それともう一つは、哲人《このこ》の母親がリコンとサイコンを繰り返すなど…男がらみのもめ事を起こしたのよ!!」
「えっ?ゆきさんが男がらみのもめ事を起こしたって?」
「それもあるから、哲人《このこ》の結婚は大反対といよんよ!!」
「困ったわね〜」

ゆきさんは、ひと呼吸おいてから哲人《てつと》に言うた。
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