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乳房星(たらちねぼし)−1・0
第52章 時間よ止まれ
花栄《はなえ》は、哲人《てつと》に言いにくい声で言うた。

「哲人《てつと》さん…お願いがあるけど…公則《まさのり》のために…(カノジョ)さんと別れてください…公則《まさのり》…お願いしなさい!!」
「ムリだよ〜」
「君波の家の人が公則《まさのり》のために一席《せき》を拵《こしら》えてくださったのよ!!…小松島の家の人は、哲人《てつと》さんのジンテキホショウをするために水口《みなくち》の次女さまと恋人さまを別れさせたのよ!!」

それを聞いたゆきさんが思い切りブチ切れた。

「おかーちゃん!!これは一体どう言うことよ!?」
「ゆき、なにを怒ってるのよ?」
「怒りたくもなるわよ!!まき夫婦はなんでこなないらんことしたのよ!?」

ゆきさんに怒鳴られたまきは、ものすごく困った声で言うた。

「だから、主人がドーキで一番に課長昇進《ショーシン》したいから…」
「ますますはぐいたらしいいとこね!!」
「ゆきさん…」
「ふざけるな!!もう怒ったわよ!!」

思い切りブチ切れたゆきさんは、よりし烈な声でまきを怒鳴りつけた。

思い切り怒鳴られたまきは、イシュクした。

ゆきさんが思い切りブチ切れたことが原因で、話し合いができなくなった。
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