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乳房星(たらちねぼし)−1・0
第73章 おんな港町
(ゴーッ…)

日本でドカバキの大ゲンカが発生した頃であった。

イワマツグループの全メンバーたちは、専用機に乗って再び旅に出た。


専用機は、北太平洋の上空を通って目的地へ向かった。

私は、CDウォークマンで歌を聴きながら窓に写っている夜の海を見つめていた。

イヤホンから八代亜紀さんの全曲集のCDに収録されている歌がたくさん流れていた。

『なみだ恋』『灯(ともしび)』『もう一度逢いたい』『愛の終着駅』『舟唄』『雨の慕情』『悲しみよとなりで眠れ』『おんな港町』…

…が聴こえていた。

その中で、『おんな港町』を一曲リピートにセットして聴いていた。

12月1日は、リチャードさんの実家でひらかれた結婚祝いパーティでバーベキューを調理していた。

パーティの席に、リチャードさんの実家の家族たちと親類のみなさま方たちと新郎新婦さんの共通の友人知人たち…がたくさん集まっていた。

リチャードさんは、新郎新婦さんの共通の友人知人たちや新郎新婦のご親族のみなさま方たちと楽しくお話をしていたが、新郎新婦さんのおノロケ話ばかりだった。

バーベキューを調理していた私は、新郎新婦さんのおノロケ話を聞くのがものすごくイヤだった…

55歳の私は、妻子がいないひとり者である…

その前に、私の正式な家族はママだけしかいない…

2歳9ヶ月目から他の子たちと全く違う生き方で超ガマンをしいられた暮らしで生きてきたので、親しい友人は全くいなかった…

こんな生き方して、正しかったのかどうか…

それから2時間後であった。

歌を聴きながら考え事をしていた私は、眠りについた。

この時、マァマが眠っている私のもとにやって来た。

マァマは、眠っている私のひざの上にブランケットをかけた。

マァマは、眠っている私を見つめながらつぶやいた。

よーくん…

よーくんもお嫁さんほしいよね…

だけど…

お嫁さん候補の女の子たちがまだ成人年齢《せいじん》(西洋で18歳くらい)になっていないから、お見合いができない…

…………

よーくん…

よーくんごめんね…

よーくん…

ごめんね…
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