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乳房星(たらちねぼし)−1・0
第76章 あんたのバラード
「ゆりねーちゃん、ゆりねーちゃん…ピリから入れすぎてんねん…」
「えっ?」

ゆなさんから入れすぎと言われたゆりさんは、スープをひとくちすすってみた。

「ちょうどええ味やん…」

ゆかさんは、困った声で言うた。

「ゆらはちいちゃい時から刺激物ばかりを摂っていたのよ…せやけん、キレてしまう子に育ったのよ…おかーちゃんとおとーちゃんとうちらは、ゆらに対してバランスの摂れた食事しなさいと言うたのに…ゆらは言うことをきかへんかった…おねーちゃん、ゆらは中学高校にいた時お弁当を持っていかなかったよね。」

ゆりさんは『ああ、せやったね〜持って行かなかったわ…』と答えた。

ゆかさんは、ピィヤーシを少し入れたあとスープにまぜながら言うた。

「ゆらはその時、他の生徒のお弁当を分けてもろて食べていたわよ…(友だち)ちゃんのおかーちゃんが作ったお弁当はサイコーねと言うてたわ…ほんで、おかーちゃんは弁当を作るのがドヘタ…と言うてたわよ…」

ゆかさんの右ふたつとなりにいるゆみさんは、スープをひとくちすすってから言うた。

「ああ、ゆらはたしかにそない言うてたわ…ゆらはおかーちゃんが早起きして一生懸命にこしらえたお弁当のありがたみが分からないのよ!!」

ゆかさんは、怒った表情で言うた。

「ゆらは他にも悪いことをたーんとしていたわよ…他の生徒のお弁当をたかるグループのリーダーがゆらだった…お弁当をたかられた生徒に対して『遊びに行ってもいい?』などと言うた…ほんで、晩ごはんになっても家に帰らなかった…ゆらは、うちでごはんを食べるのがイヤなのよ…友だちの家にお泊りばかりしていた…ろくな勉強をしていない…家政科へ行った理由は『行きたい大学がないから…』よ…ゆらはホンマにはぐいたらしい妹よ!!」

ゆなさんは、コップに入っているミネラルウオーターをのんでから言うた。

「ゆらは、大学に行くのがそないにイヤだったのかな?」
「(ゆかさん、怒った表情で言う)その通りよ!!」

ゆかさんは、ピィヤーシをスープにかけながら言うた。
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