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第77章 幸せ芝居

イワマツグループの全メンバーたちが専用機に乗って石垣島から目的地へ向かっていた時であった。

大番頭《おおばんと》はんの家でまたもめ事が発生した。

この日、ローニン生の健介《けんすけ》が書き置きを残して行方不明になった。

書き置きには『ぼくは自分を変えるために旅に出ます…』と言う文章のあとに『陸前高田《さんりくたかだ》へ行く…』と書かれていた。

陸前高田《さんりくだがだ》へ行くって…

なんで…

書き置きを読んだ桃子《ももこ》は、ひどくおたついた。

健介《けんすけ》には、友人知人がひとりもいない…

困ったわ…

どうしたらいいのよ…

いとと桃子《ももこ》は、ひどくおたついた。

この日、遥輝《はるき》は上の人から残業を頼まれたので帰宅していなかった。

いとは、遥輝《はるき》がいる会社に電話をかけて『早く帰って来てよ!!』と言うた。

しかし、遥輝《はるき》は怒った声で『ものすごくいそがしい時にくだらん電話をするな!!』と言うたあと電話をガチャーンと切った。

困ったわ…

どうしたらいいのよ…

遥輝《はるき》は、子どもが生まれてきたから父親《テテオヤ》になったと言うてえらそうにしているからダメね!!

電話をガチャーンと切られたいとは、ものすごく怒った表情でつぶやいた。

（ジュー…）

次の日の朝７時頃であった。

またところ変わって、家の台所にて…

奈保子《なおこ》は、ものすごく困った表情でお弁当を作っていた。

この日は、お向かいの家の奥さまのマゴちゃんの父親参観日で幼稚園へ行く予定であった。

同時に、真弥《しんや》が通っているコーコーの模擬試験《モギテスト》が行われる日であった。

奈保子《なおこ》は、マゴちゃんのお弁当を作ったあと真弥《しんや》のお弁当を作る予定だったがうまく行かずに苦しんでいた。

この時、ダサい色のジャージ姿のゆらさんがふらりとやって来た。

ゆらさんは、奈保子《なおこ》に対してものすごくナマイキな声で言うた。