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乳房星(たらちねぼし)−1・0
第122章 ウェディングベル
時は、夜7時半頃であった。

またところで変わって、新宮市《なんきしんぐう》の福也《さちや》さんの実家の大広間にて…

日菜《ひな》に頼まれて男性が忘れて行ったケータイを取りに行った女性が帰って来た。

「おまたせしました〜」
「(日菜《ひな》優しく声をかける)ああ、(女性)さま…おかえりなさい…ケータイはどうしたの?」

日菜《ひな》の呼びかけに対して、女性はもうしわけない声で言うた。

「すみません…ちょっと…途中で友人と会って…おしゃべりをしていて…」
「取りに行くのを忘れたのね。」

女性は、ものすごくつらい声で『すみませんでした〜』と言うた。

章弘《あきひろ》は、困った表情で言うた。

「きょうはもう遅いからいいよ…」

一恵《かずえ》は、優しい声で言うた。

「そうね…(男性)くんが月曜日に出勤した時に取りに行くからいいよね…日菜《ひな》さん。」
「はい。」
「他にケータイはあるの?」
「あっ、ダンナが二つ折りとスマホの両方を持っていたわ…ダンナはスマホをメインに使っているから二つ折りは使わないみたいね。」
「それじゃあ、和利《かずとし》の二つ折りを(男性)くんに貸そうか。」

二つ折りを忘れて行った男性は、ものすごくつらい声で『すみませんでした〜』と言うた。

それから2分後に、日菜《ひな》は和利《かずとし》が使用していたパルディオ(PHS)を男性に渡した。

「これでいい?」
「はい…電話が使えたらいいです…ごめいわくをおかけしてすみませんでした。」
「いいのよ…返すのはいつでもいいから…」
「ほんとうにすみませんでした。」

章弘《あきひろ》は、困った声で男性に言うた。

「そんな小さいことでくよくよするなよ…(男性)くん自身が次から気をつけたらいいだけだよ。」
「はあ〜」

日菜《ひな》は、優しい声でふたりに言うた。

「ふたりとも、晩ごはんはまだだったわね…」
「はい。」
「きょうは…おふたりの大好物のお肉をたくさん焼くから…」

男性は、ものすごく困った表情で日菜《ひな》に言うた。

「すみません〜」
「どうしたのよ?」
「やっぱり帰ります。」
「どうして帰るのよ?」
「両親と嫂《あね》が待っているのです…嫂《あね》から早く帰っておいでと言われたので…」

男性が言うた言葉に対して、日菜《ひな》は優しい声で言うた。
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