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乳房星(たらちねぼし)−1・0
第128章 愛・ファシネーション
「日菜《ひな》さん。」
「なによぉ〜」
「あれはいくらなんでもいい方がどぎついのじゃないの?」
「義父母《おとうさまおかあさま》!!(ケータイをなくした男性)くんは自分ひとりに非があると言う事が分からないのよ!!」
「だからと言うて、そないにどぎつい言葉で言わなくても…」
「あのね!!(ケータイをなくした男性)くんはデスク周りやかばんの中身をセイリセイトンする意思がないのよ!!だからお嫁さんが来ないのよ!!」
「だからケータイをなくしたこととお嫁さんが来るこないのウンヌンは…」
「カンケーあります!!(ケータイをなくした男性)くんの気持ちがダルいから大事なものをなくしたのよ!!…(ケータイをなくした男性)くんの気持ちがだるいから親御《おや》は(ケータイをなくした男性)くんに嫁は必要ないと言うたのよ!!」
「それは違うよ〜」
「違わないわよ!!」
「(ケータイをなくした男性)くんの身の丈に合う相手《おあいて》が近くにいないだけだよ〜」

章弘一恵夫婦《あきひろかずえ》がめんどくさい声で言うたので、日菜《ひな》は思い切り怒った。

「義父母《おとうさまおかあさま》!!いいかげんにしてください!!」

この時であった。

(ジリリリリン!!)

うぐいす色のプッシュホンの着信ベルが鳴った。

「うちが出ます。」

一恵《かずえ》は、受話器を手に取ったあと話した。

「内之倉《うちのくら》でございます…ああ…広橋の奥さまですね…えっ?…すっぽかされた…もしもし、(長男)くんは(お見合い相手)さんと…きょうの5時に会う予定だったよね…うちがデートのセッティングしました…もしもし…(お見合い相手)の家にお電話いたしましょうか?はい…」

一恵《かずえ》は、白のフックを押したあと別の家に電話をした。

(プルルルルルル…カチャ…)

この時、(お見合い相手の女性)の親御《おや》が電話に出られた。

一恵《かずえ》は、受話器ごしにいるご家族に声をかけた。
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