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第176章 雨のち晴れルヤ

「えーと、９月８日の午前０時より（大阪中央区城見のテレビ局）の（日曜昼のディベート番組）に急きょ出演することが決まりました。」
「えーと、９月８日ですね。」
「あっ、はい。」

私は、手帳のカレンダーの欄にスケジュールを記入した。

それから１分後にゆかさんは次の予定を知らせた。

「それから、９月16日と17日にドバイ国際本社でひらかれる営業会議に出席する予定が入りましたのでお伝えいたします。」
「９月16日と17日、ドバイ国際本社…」
「あっ、はい。」

私は、オレンジの表紙のえひめ県民手帳のカレンダーの欄に万年筆でスケジュールを記載した。

それから１分後であった。

私は、ゆかさんに声をかけた。

「ゆかさん。」
「なあに？」
「ゆきさんの身体《おからだ》は、いかがでしょうか？」
「あんま…よくないわよ…先月２日に吐血した日から…さびしい表情を浮かべているのよ…『自分の命に直接かかわるから精密検査を受けなさい…』と言うたのに、あの子は４年間ホウチしたのよ…その結果…あの子の身体《からだ》は…病魔にむしばまれた…ゆきはかわいそうな子だったわ…うち…どないしてええのかわからん…」

なんとも言えない…

ゆかさんは、大きくため息をついたあと窓に写るストックホルム中心地の風景を見つめながら言うた。

「早いね…もう北欧《ここ》は…冬なのね。」

ゆかさんは、しんみりとした表情で窓に写るストックホルム中心地の風景を見つめながら考え事をした。

なんとも言えない…

私は、イスにゆっくりとすわったあと大きくため息をついた。