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乳房星(たらちねぼし)−1・0
第12章 あばよ
先輩の家から飛び出した私は、国電吉祥寺駅の付近にあるカプセルホテルで一夜を明かした。

1月22日の朝10時頃であった。

私は、国電中央本線〜山手線〜京浜東北線の電車を乗り継いで横浜へ逃げた。

横浜に着いたのは、昼過ぎであった。

またところ変わって、山下公園にて…

公園のベンチに座っている私は、ぼんやりとした表情で考え事をしていた。

私は…

どんな人生を送りたいのか?

恋人を作って…

結婚して…

家庭を持って…

小さいけど、一戸建ての家を持って…

テイネン後は、豊かなローゴを過ごす…

ただそれだけ…

…………

ただそれだけしか頭にない…

ただそれだけしか頭にないのに…

故人(セヴァスチャンじいさん)が訣定《けってい》した計画書に従う人生を過ごしたから大失敗した…

また大学《ガッコー》へ戻れと言うのか?

私は…

どうすればいいのか…

分からない…

(ピーッ…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)

時は、夜9時過ぎであった。

私は、国電横浜駅から西鹿児島(鹿児島中央)行きの寝台特急はやぶさに乗って旅に出た。

私は、B寝台個室のベットでウォークマンを聴きながら寝ていた。

イヤホンから研ナオコさんの歌で『あばよ』が流れていた。

東京に来て大失敗した…

サラリーマンの暮らしを選んで大失敗した…

やっぱり、大番頭《おおばんと》はんたちを探しに行こう…

イワマツの財産一式と仕事に必要な資格と修士博士号と軍位がないと仕事ができないし生きていけない…

私は、非常に強い危機感をつのらせながらつぶやいた。
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