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乳房星(たらちねぼし)−1・0
第226章 化石の森
(ブロロロロ…)

時は、10月10日の正午過ぎだった。

私は、城崎温泉街《おんせんがい》から20数キロ離れた地点で長距離トラックをヒッチハイクしたあと再び旅に出た。

トラックは、国道9号線を通って福知山方面へ向かった。

午後1時半頃であった。

トラックは、兵庫県朝来市和田山《あさごしわだやま》にあるコカ・コーラの工場の敷地に到着した。

ショルダーバッグを持ってトラックから降りた私は、ヒッチハイクする場所を探して歩き回った。

ゆうべ私は、旅館のとなりの部屋で番頭《ばんと》はんとヤクザ連中たちがえげつない話をしていたのを聞いた。

ヤツラが私を追いかけているかもしれない…

急がなきゃ…

仕事に必要な資格と修士号・博士号の証書とアメリカ三軍の提督までの位と陸自少年工科学校《りくじのダンシコー》と防衛大学校で支給された大金(全額貯蓄されている)とイワマツの財産一式がないと仕事ができない…

あっても、ひとりの力だけではできない…

大番頭《おおばんと》はんたちがいないと困る…

大番頭《おおばんと》はんたちの居場所を一番知ってるドナ姐《ねえ》はんがいないので、なお困る…

その上に、番頭《ばんと》はんに目ぇつけられたのでさらにややこしくなった…

急げ…

時間がない…

(ブロロロロ…)

時は、夜10時過ぎであった。

私は、朝来市内《しない》の国道9号線沿いにあるマクドナルドの駐車場で長距離トラックをヒッチハイクしたあと再び旅に出た。

トラックは、日付けが変わって10月11日深夜0時過ぎに福知山市厚《フクチヤマシアツ》の国道9号線沿いにある終夜営業のラーメン屋の駐車場に到着した。

(グー…)

ショルダーバッグを持ってトラックから降りた私のお腹から空腹を知らせる音が鳴った。

ああ…

腹減った…

ラーメンくいてー…

腹がへった私は、ラーメン店へ向かって歩いた。
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