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ビッケとビッチ
第2章 11月19日日曜日午後5時~
 3

 この恋心すれすれの好意の想いに流されたり、飲み込まれたりしては絶対にいけない…

 だからこの食事、会話は、この後のセフレという関係の緩和剤としては、今は、いや、今夜は…
 絶対に必要なのだ。

 待ち合わせ場所で会って、すぐにホテルへ向かうというドライな関係になる為にも…
 逆に、今は、絶対的に必要なのである。

 わたしは食事をし、会話を交わしながら、そう必死に自分に言い聞かせていた…

 じゃないと…

 まだ二回目の夜のこの逢瀬の甘い夜の想いの雰囲気に流されてしまうから…

 今は…

 そう今は…

 しつけ前の…

 ペットとの愛情の確認であり…

 愛情の認識の時間なのである。

 この時間を経て…

 色々としつけ、躾るんだ。

「実は、昨夜、悠里さんの現役時代の動画をチェックしちゃったんす」
 
「あら…」

「いや、僕の現役時代当時、噂では聞いていたんすけど…」

 スゴいっすねぇ…

「え…あ、そう?…」

「はい、そうっすよ、すごかったっす」

 わたしはつい、和哉くんの顔を…

 クリッとしたくっきり二重の瞳を…

 キラキラと輝く目を…

 長い睫毛を…

 清潔そうでキレイな歯並びを…

 見惚れてしまっていた。


 本当にかわいいのだ…

 とても28歳には見えない…

 25位にしか…

「あの高3のウインターカップの動画なんてぇ…」
 と、和哉くんはまだ語ってきていた。

 だが、わたしには過去のバスケットの栄光には…

 もうプレイヤーとしての想いは、乗り越えられ、完全に消化できているから、あまり耳には入ってこない…

 今、興味が惹かれ、魅かれているのは…

 この目の前の…

 本当にかわいい和哉くんのことであった。

 ああ、この和哉くんを…

 ペットのビッケを…

 セフレとして…

 躾たい…

 心とカラダが疼き、昂ぶってきていた…
 



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