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12歳年下の彼とクリスマスする話
第10章 彼と私のクリスマス

今日は…イブイブの…土曜日だし。
周囲に居るのも、この時間なら
カップルばっかり…なので。
適当に…示し合わせた訳じゃないけど
お互いの邪魔にならない距離感で
ロマンティックなクリスマスを
それぞれ愉しんでいる様だった。

『巴さん…そろそろ…出ましょうか?』

あわじグリーン館を後にして、
車を置いている淡路夢舞台の
地下駐車場に戻ると。
港斗君がドアではなくて、
車のトランクを開いて
持って来ていたキャリーバックを
取り出したので。

今日は…ここに泊まるんだ…と、
思って居ると、ホテルマンが
こちらに気が付いて近付いて来て。

ホテルマンが持って来ていた
キャリーバックをロビーまで
運んでくれる。

ホテルマンに案内されて、
グランドニッコー淡路の
フロントに案内された。

元々はウェスティンホテルとして
建てられたホテル…だったのだが。

2020年にグランドニッコーに
契約が満期になって、
名称が変更されたのだそうだ。

知らなかった。

ウエスティンホテルだって思ってたから。

『巴さん…?どうかしましたか?』

「ううん…」

私の記憶が…確かなら
割といい感じにハイクラスな
ホテルだった…気がする…けど…。

お金の事を…、あれこれ言うのは
厭らしい感じがするから。
そのまま彼の後をついて行って。

彼がチェックインをしてる間に
ロビーで待ってたのだけど。
置いてあるのが…お花の形をしている。
一瞬オブジェかと思うような
形をした椅子が大きな窓の前に
並んでいて。

座ってもいい物かと思いながら
その赤いお花の形をした椅子に
巴がそっと腰を掛けた。

しばらく待って居ると、
彼がこっちに声を掛けて来て。

『巴さんお待たせしました、
部屋に…荷物置きに行きましょうか』

ベルボーイの案内で、
エレベーターで6階に移動して。
客室のドアを開いてもらって
どうぞと中に入る様に促してくれる。

入口にカードキーを差し込めば
部屋の明かりが点いて。
案内をしてくれたベルボーイに
お礼を言って、2人だけになる。

部屋の大きな窓からは、
淡路夢舞台とその奥に…海が見えて。
その海の向こう側の神戸の夜景が見える。


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