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12歳年下の彼とクリスマスする話
第5章 12月12日の火曜日
「……ッ…、う、ううん…っ。
何でもない…よ?港斗君…」
『何でも無くないですよね?
何か…あったんですか?巴さん。
僕は巴さんの彼氏なんですよ?
巴さんの…側に…一番居るのは
僕ですからね?わかってますか?』
一番側にいる…。
確かに彼は…一番側にいる。
それは…でも…この
彼と付き合う様になった4ヶ月の事で。
でも、私の中で…。
あの雄介さんと過ごした8年間よりも…。
彼と、港斗君と過ごした4ヶ月が…。
色んな所に行って、一緒に色んな物を見て。
一緒に彼と楽しい時間を過ごして。
沢山沢山、キスをして…。
愛し合った…大切な時間で…。
4ヶ月前の私が…、一方的に
彼から受けるだけだった好きって気持ちを。
自分からも…彼に…返せる様になった時間。
「港斗…君…、会いたい……来て…ッ」
『仕事終わったら…直で行きますから…。
だから…それまで…待ってて貰えますか?』
「うん…分かった…、待ってる……ッ」
彼にそう返事を返した…
自分の声が震えてたから。
きっと電話の向こうの彼にも…。
私が…泣いてるって…バレてしまったかも…。
そのまま…堤防が決壊した様に…
涙がどんどんと次々に溢れて来て。
止まらなくなってしまって居て。
ポタ…ッ…ポタ…っと、
自分の太ももの上に雫が落ちて行く。
「あんまり…泣いてたら…目が腫れちゃう…」
真っ赤になって、泣き腫らした顔なんて
彼に見せるのは忍びないと思ってしまって。
「確か…温かいタオルと
冷たいタオルを交互に乗せると
瞼が腫れてるの…治せるって……」
ハンドタオルを2枚用意して。
濡らして巴が絞ると。
電子レンジで一枚を温めて
もう一枚を冷凍庫に入れた。
温かいタオルが冷めて来る頃には、
冷凍庫のタオルが冷えてるだろうから。
レンジが温めが出来たと、
メロディが流れてお知らせして来て。
電子レンジの中のホットタオルを持って。
リビングのマットレスの上に横になると。
瞼の上にホットタオルを乗せる。
「温かいタオル…気持ちい…い…」
温かいタオルが冷えた頃に
冷たいタオルと交換して。