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僕の麗子さん
第6章 苦悩
タクシーは激しい雷雨の中、自由が丘を目指して走っていた。
外では雷が激しく鳴っている。

「領くん、お願いよ、途中で下ろして…」
「今夜はお願いだから、僕と一緒に居て欲しいんだ…」

僕は麗子さんのその言葉を遮った。

「いいわ…でも、泊る事はできないわ…それでもいい?」
「うん、いいよ。帰りはまたタクシー使えばいいから…」

麗子さんは不安そうだった。
僕はそんな麗子さんの肩を抱いて抱きしめていた。

タクシーは自由が丘のライジングビルの前で停まった。
料金を支払う。

外はまだ、激しい雨が降っていた。
タクシーを降りて雨に濡れながらビルの5階に上がった。

事務所の鍵は僕も持っている。
だから、すんなり事務所の応接室には入れた。

父、晃は会計士をしており、自身の会計事務所を持っていた。
その会計事務所が自由が丘にあったのだ。

麗子さんが応接室のソファーに腰かけると僕はタオルを用意してそれを渡した。
麗子さんのレースのカーディガンは雨でびしょ濡れになっていた。

僕は麗子さんを抱きしめてそのレースのカーディガンを脱がせた。
ノースリーブのワンピから白い柔らかな二の腕が見える。

麗子さんの冷たく濡れた身体を抱き寄せた。

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