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蛇神様の花わずらい
第6章 花嫁の記憶
朝だった。

明かり取りの窓から日光が差し込んでいる。

美鎖はゆっくりと目をしばたいた。

体が重い。
油の切れた歯車のように関節がギシギシする。

首を巡らせると、狭い社に三人の男の姿が見えた。
全員眠っているらしい。

雪影は壁にもたれ、暗夜は扉の前で横になり、穂波は隅っこで丸まっていた。

「う……」

体を起こすと、足の付け根が痛んだ。
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