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蛇神様の花わずらい
第2章 巫女の一族
この春から、美鎖は同じ系列の大学に進学する予定だった。
また寮生活だが、今度の建物は普通のマンションで、独り暮らしと変わらない。
もちろん管理人はちゃんといて、門限は厳しいらしいけれど、それでも今までで一番自由な生活だった。
ほとんどのクラスメイトが同じ進路だから、高校の卒業式はそんなに悲しくなかった。
でも合唱中、急に感慨深いものがこみ上げてきて、ちょっと泣いてしまった。
「美鎖は泣き虫なんだから~」
相部屋だった理子に笑われた。