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第2章 巫女の一族

大学寮に入ったらお互いに自炊頑張ろうね、と約束して、美鎖は理子と別れた。

久しぶりの帰省だ。

美鎖の実家は山奥にある。
都内にも会社や分家はあるのだが、一族の本家は秘境とも言えるような僻地にあるのだ。

最寄りの空港から迎えに来てくれたベンツに乗り、山道を揺られること数時間。

「相変わらず、緑が濃いですね」

純和風の邸宅の前で、美鎖は大きく伸びをした。

後ろでは運転手が美鎖の荷物を中に運んでくれている。