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蛇神様の花わずらい
第6章 花嫁の記憶
「そう、そのまま手を動かして……」

熱にうかされている美鎖の耳に、雪影の言葉が麻薬のように染み込んでくる。

「はあああぁ……!」

暗夜に緩やかに揺られながら、美鎖はぎこちない仕草で手を動かした。

「ふふふ、いいですよ……」

雪影が密やかに囁いて、美鎖の頭を撫でてくる。
手の中にあるものの凶悪さと、雪影のとろけるような笑みが、ぐらぐらと美鎖の思考を融かしていく。

「そこを強めに……そうです、良い子ですね」
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