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蛇神様の花わずらい
第2章 巫女の一族
「今年の祭は、お前が主役だよ」

祖母の眼光は鋭い。
美鎖は彼女に甘えた記憶がない。
肉親だけれど遠い存在だ。

「はい、わかっております」

美鎖の一族は代々巫女の役目を担ってきた。
山に棲むと言われる蛇神様を祀るのは大事な仕事だった。

美鎖自身、神様を信じているかどうかは微妙なところだ。
かといって、全否定する気はない。

学校から帰省してくるたびに、深い山々に神秘的なものを感じるし、本当にいたら素敵だな、とは思う。
本家の跡取り娘がこんな態度では甘いと、一族の老人たちに怒られるかもしれないが。
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