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蛇神様の花わずらい
第10章 暗夜とおうちデート
どうしたらいいのかわからず、抱き締められたまま美鎖はじっとしていた。

大きな胸板。
そこにも深い引っかき傷があって、ぱっくりと皮膚が裂けている。

美鎖はそっと指先で触れた。
ゆっくりとではあるが、えぐれた肉が盛り上がり、皮膚がつながっていく。

不思議な光景に見いってしまう。

仕組みはわからないけれど、自分が暗夜の役に立てているのだろうか。

ふと顔を上げると、真っ黒な暗夜の瞳とぶつかった。

「誘ってんのか?」
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