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蛇神様の花わずらい
第13章 着付け室にて
着物を着るために美鎖は控え室を借りていた。
六畳ほどのこじんまりした和室で、大きな姿見が用意されている。

「あなたを公の場に出せば相手はきっと食いついてくると思っていましたが、やはり他の男たちの目に触れさせるのは良い気持ちではありませんね」

衣擦れの音が響いて、美鎖の帯が畳に落ちる。

「これは私のものだときっちり印をつけておかねば」

抵抗しようとした美鎖の足が、着物の裾でもつれた。

「そ、そんなこと言って、また、こういうことをしたいだけじゃ……っ」
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