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蛇神様の花わずらい
第2章 巫女の一族
開け放たれた扉の向こうには、大きな月が昇っていた。

月光を背景にして、人影が浮かび上がる。

一人目は、白銀の髪をゆるく結んだ、落ち着いた雰囲気の男性だった。

「すみません、驚かせてしまいましたね」

のほほん、と微笑みかけてくる。
タレ目で優しそうな顔つきだ。

二人目はボサボサの黒い髪。
こちらはツリ目で眉をしかめている。

「いきなりこんな現れ方したら、そりゃ驚くだろ」
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