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蛇神様の花わずらい
第2章 巫女の一族
「抜け駆けしてんじゃねーよ」

穂波の頭をガシッとつかんで美鎖から引き剥がしたのは、ボサボサ黒髪の青年だ。

「俺は暗夜」

ぶっきらぼうに言う。

「私は雪影ですよ」

銀髪の青年がニコニコ笑う。

いつの間にか社の扉は閉められていた。
狭い室内に美鎖と男が三人。

「じゃあ早速……一番手は私です」

雪影が微笑みながら、妖しげにチロリと唇を舐めた。
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