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蛇神様の花わずらい
第16章 穂波の悩み事
「え? 何それ? もしかして美鎖、気にしてたの?」

穂波が目を見開いて身を乗り出す。
肩にかけていたタオルが落ちた。

「僕が美鎖のこと嫌いになるわけないじゃん! うわぁ、ごめん……僕、ホント気が利かない……」

へなへなと床に手をついてうなだれる。

「すみません、わたしが一人で勝手に勘違いして、不安になっていただけですから」

落ち込む穂波に、美鎖は慌てて声をかける。

「ううん、美鎖を不安にさせた僕が悪いよ。そもそも、僕にもっと力があれば、あの犬だって逃さずにちゃんと捕まえられてたのに……」
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