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第16章 穂波の悩み事

穂波があんなに冷たい言い方をしたことがショックだった。

思えば、今まで自分は優しくしてもらったことしかない。

「あー、あれはねー……」

穂波はバツが悪そうに肩をすくめる。

「犬の気配を感じて、ちょっと集中したかったっていうか……ごめん、僕、未熟者だから。雪影とか暗夜なら、美鎖としゃべりながらでも余裕で敵がどこから来るかわかったんだろうけど」

「じゃあ、わたしのことが嫌いになったわけではなかったんですね……」