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禁愛
第14章 展開
亨と栞奈は立ち上がり、玄関に向かった。

その時…

「ただいま…」

優が帰宅した。

二人が来ている事など知らなかったのだろう

目を見開き驚いている様子だった。

「どうしてここに?」

「奥さまから呼ばれました」

栞奈の変わりに亨が答え

「お話は終わりましたので…これで失礼します」

栞奈は優の顔を見つめ

「優…私との約束をちゃんと守って下さい…」

そう一言伝え、家を出ようとしたとき

美和がリビングから出てきた。

「美和、どういうつもりだよ・・・栞奈を呼び出すなんて!」

「・・・・・」

美和はうつむいたまま何も答えようとしない

「美和!答えろ!」

優は美和に怒鳴った。

「だって…仕方ないじゃない…こうするしか無かったのよ…
 あなたには幸せになってほしかった…」

「えっ?どういう事?」

「美和さんは、私に優を返すって言いたかったのよ…」

「とりあえず…もう一回上がって…話の整理がつかないんだ]

優はもう一度リビングに入るように言った

しかし、亨は

「いえ・・帰ります…。あとは奥さまと話して下さい…栞奈、行くぞ…」

栞奈の手を引っ張り玄関を出ようとした。

「亨・・待って…」

栞奈は優に

「優、あなたは私じゃなく美和さんを選んだのよ…美和さんと赤ちゃんを幸せにするって
 決めたのよ…私も、亨を選んだの…亨と幸せになる道を選んだの
 後戻り何て出来ないわ…お互いに決めた道を進みましょう・・
 もう…会う事は無いと思う…元気で幸せに暮らして下さい」

そう告げると玄関の扉を開き外に出た。
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