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浄土
第1章 極楽浄土

K子は、ふっと目を覚ました

自分の体を、丸くて、ふわふわとした
暖かい光が無数に集まり、空へと
運んでいく

下を見れば見慣れた町並みが見える



目を瞑ると、夫や子供、他の兄弟、
甥っ子姪っ子の心配そうな表情が
浮かんできた



急に意識不明になり、
心配を掛けてしまったわね……

私は何だか大丈夫そうだから
心配いらないわよ……


K子は、「ふふっ」と笑うと
町の建物や景色は、もう見えなくなっていた



白い光達に運ばれ降ろされたのは
綺麗な色とりどりの華が咲く
川辺だった

目の前には大きな川が流れているが
川の水は澄んでキラキラと
光を反射している




向こうの方から

「おーーーーいっ」


と、誰かの声が聞こえる





振り向くと、大好きな父や母
祖父母や、飼っていたペット達と
みんな、大集合だ


「みんなーっ」

と、駆け寄ると
母に ふわっ と
抱きしめられる






「あなたも、年を取ったわねぇ」

「お母さんてば、当たり前じゃないっ」

「ふふふっ」


思わず、顔を見合わせて笑った







そして、皆と共に
光の中へと歩みを進めた

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