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12歳年下の彼と城崎温泉旅行する話
第9章 城崎温泉の…夜

あの…かなりインパクトがある
大きな金魚柄の浴衣も、
彼の体格がいいからなのか
そんなに…大柄に見えないから不思議だ。

言われなければ、レンタルじゃなくて
私物を持って来たと言っても良い程。
ナチュラルに…着こなしていて。

夕食は…お部屋じゃなくて
お食事処だったんだけど。
焼きガニとかしたら、お部屋に
カニの匂いが…凄い事になるから
これは…正解なのかも知れない。

個室に案内して貰って。

今日のメインと言ってもいい
松葉ガニと対面する。

綺麗な器に盛り付けられた

前菜に

一人に姿の茹でカニが

1杯まるまるついて居て。

カニ刺しに、一人用の鍋でカニスキ。

そして…カニよりも
存在感を放っているのが
大きな船盛なんだけども。

多分カニのフルコースだから、
この船盛は…オプションの
追加料理…なんだろうけど…。

途中で茶わん蒸しと
焼きガニを持って来てくれるそうで。
先にカニスキの固形燃料に
火を入れさせて頂きますね~と。
カニスキの鍋に固形燃料に
仲居さんがチャッカマンで火をつけてくれる。

港斗君は…飲み物の
メニューを見ていて。
地ビールのカニビールである
雪のビールをグラスで2杯注文していて。

これを飲んでから、考えましょうかと。
まずは…可愛らしいサイズのグラスに
用意されている食前酒の梅酒で
今回の城崎温泉旅行に乾杯をして。

カニスキは出汁が温まるまでは
どうにもならないので、
まずは…ビールが届くのを待ちながら
地元兵庫県の食材を使った前菜を頂いて。

カニビールのグラスが届いて。
もう一度乾杯すると、
麦茶みたいな色をした
カニビールを一口口に含んだ。

カニビールのこの麦茶の様な
赤味の有る茶色い色合いは
使用されているモルトによる物。
モルトと言うのは、麦の事で。
麦芽…つまりは発芽させた麦をモルトと呼ぶ。

麦をモルトにした物を
乾燥させて使用するのだが、
その乾燥させる時の温度で
ビールの色は決まる。

低めの温度で乾燥すれば
普段飲んでいるあの黄色いビールに
それよりも高温で乾燥させれば
このカニビールの様な
濃い色合いに、黒ビールと
呼ばれるビールが黒いのは。



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