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12歳年下の彼と城崎温泉旅行する話
第9章 城崎温泉の…夜
「はぁ~、カニ刺し最高すぎ…る…」
美味し過ぎてそう、
つい漏らしてしまって居て。
『そろそろカニスキも
良さそうな感じですよ』
熱くてすぐには食べられないから
取り皿に取って置いて、
ある程度冷めてから食べる事にして、
茹でカニの味噌に
カニ刺しを絡めながらかぶりつく。
『カニ味噌頼みますか?』
確かにカニ味噌は
この茹でカニにしか入ってないから。
カニスキの足に絡めても
焼きガニに絡めても
そのまま食べても
茹でカニの身と混ぜても美味しい。
「うん、カニ味噌もっと
食べたいな…、お願いします」
『あ、巴さん…
セコガニ食べます?』
「え???セコガニあるの?」
『あ、追加メニューで
カニの天ぷらありますよ?』
「天ぷら食べたい、
カニの天ぷら大好き…ッ」
『遠慮しなくても
これも全部巴さんの驕りですから』
大丈夫ですよ、と彼が笑って居て。
彼は甲羅酒がしたいからと
追加注文のついでに
熱燗を頼んでいて。
白いご飯は…後で
このカニスキで雑炊をするから
出て来て無かったんだけど
ご飯が食べたいと…それも頼んでた。
セコガニは美味しいんだけど
食べるのが大変だしって
思ってたら食べやすく
剥いて綺麗に盛ってあって。
「美味しい、口の中が幸せ……」
『分かります、セコガニ
内子がめっちゃ美味しいですもんね』
最後の…〆の雑炊の頃には、
食道までカニが出て来るぐらいに
お腹がカニカニしてたんだけど、
雑炊を仲居さんが作ってくれて
その美味しそうな匂いを嗅いでたら。
お腹いっぱいだって思ってたのに。
食べられそうな気がして来て。
良く…デザートは別腹って言うけど
カニのフルコースの雑炊も
私は別腹なんじゃないかって思っている。
雑炊、食べちゃったら
デザートが食べれなくなって。
お腹がいっぱいですと伝えると。
お部屋にお持ち帰り下さいと
外湯めぐりされてお戻りになる頃には
食べられる様になりますからと
ご丁寧にラップをかけて頂いて
持って帰りやすい様にお盆に乗せて下さって。
お食事処の個室を後にして
特別室に戻ると、
備え付けてある冷蔵庫に
デザートのカットフルーツを
冷やして置く事にして。