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12歳年下の彼と城崎温泉旅行する話
第10章 城崎温泉の…朝

その先には…四角い柱の様になった
四角くて縦に長い水槽が3つ
並んでいる場所があって。
前にはここに小さいカラフルな
ルリスズメダイとかが展示されてたのに
ハリセンボンとか別の魚になっていた。

『巴さん。凄いですよ、
でっかいウツボいますよ!』

大きなタコとかウツボとか
ミノカサゴが優雅に泳ぐ水槽が続いていて。

透き通ったイカが泳ぐ水槽を
活け造りにしたらさぞかし
美味しいだろうなって
そんな事を思いながら見ていたら。

『イカ…泳いでる姿綺麗ですよね?
香住に行けば夏なら、
活けのイカのフルコース食べられますよ?
活けを1回食べたら、普通の
イカに戻れないって言いますしね。
夏になったら行きますか?
竹野で海水浴して、香住でイカの
フルコースとかどうです?』

巴さんの水着姿も楽しめて
美味しいイカも食べられて
一石二鳥ですねと
隣でイカを見ながら彼が言って居て。

「そう言えば…さ、
香住の方に…あるお宿にさ…」

『そのネタで…僕を
擦って来る予感はしてましたけど…。
三七十館の事…ですよね?』

三七十館と書いて、
みなと館と読むんだけど。
香住のエリアでは有名で
人気のある夕陽が綺麗な温泉宿で。
じゃらんでも楽天でも高評価の宿だ。

『昔、家族旅行で…三七十館
利用した事ありますけど、
いい所ではありますよ、普通に。
両親にも…そのネタで、
お前が経営してるのかとか
弄られたんで…行きませんよ?』

香住の辺りには…、
こう…ちょっと落ち着いて
温泉とお料理を楽しめる
大人な雰囲気のお宿が多い気がする。

その先にはクラゲや
水族館の人気者のチンアナゴ。

小っちゃい水槽には
数種類のウミウシが居るらしく
目の前の海のウミウシらしい。

うさぎみたいな…耳みたいな
突起のあるウミウシとか
フリフリのレースみたいなのとか。
ドット柄のウミウシが居て。

丸い柱を切り取った様な
形の水槽にはミズクラゲの
赤ちゃんが沢山いて。
ふわふわと…水の中を漂って居た。

大水槽には…大きなエイが
お腹を見せて笑った顔みたいに見える
エラの部分を見せながら。
水槽の面を横切る度に
近くに居る小さな子供が歓声を上げる。


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