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私立桐邦音楽大学附属中学校
第9章 中学生らしい下着
弘斗は足早に校門を出て行く小山田梨果の背中を見送った。

(もしや隠れて立ち聞きしてたのに気づかれていた?!)


「あれ?室賀まだいたんか?」

放心状態のまま昇降口前のベンチに座っていると再び内藤が校舎から出てきた。スッキリした顔はおそらく射精した後だからだろう。

「な、内藤……」

どうやら内藤は弘斗が立ち聞きをしていたことには気づいていないようだ。

「聞けよ室賀。小山田ちゃんにパンツ見たいって言ったら見せてくれたんだぜ!」

「ちっ……」

「……ふん、お前には悪いとは思うがアイツが見せてくれるってんだから俺は断る理由ないわ。」

悔しいが何も言い返すことはできなかった。別に内藤は悪くない。それに俺は小山田の彼氏でも何でもない。弘斗はそう思った。

「内藤……」

「あん?」

「お前は小山田が好きなのか?」

「おう好きだぞ。最高のお気に入りだ。それに頼めば見せてくれるなんて最高だろ?あのノリならおっぱいやそれ以上も見せてくれるんじゃないか?!あはははは!たまんねー!」

(な、殴りてえ……でも内藤も小山田の事が好きなのか……)

今これ以上内藤と会話しても自分がダメージを受けるだけだと弘斗は思った。
そう、内藤には恋心を持った人間の気持ちはまだ理解できない。そして弘斗もまた内藤が恋心を理解できない人間だとは知る由もないのだ。
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