この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
謀殺された王子は 復讐者として淫らに返り咲く
第16章 神に捨てられた子

「──…」

 逞しい腕と胸に包まれ、その体温を感じる。

 今のシアンは熱を帯びているから、バヤジットの肌はひんやりと心地良かった。

「不思議……ですね。貴方にこうされると……痛みがやわらぐ気がします」

「そうか」

「嘘ではありませんよ」

「わかったから、動くな」

「…っ」

 シアンが首をひねってすぐ横の顔に話しかけようとすると、それをピシャリと止められた。

 背に添えられただけで肌を撫でようとしない手が、力強くシアンを引き寄せる。その僅かな強引さに、がらにもなくシアンは驚いてしまった。

「動くな…!!」

「……は い」

 いつにも増して凄みのある声で、囁かれる。

 そんなバヤジットの腕はいつまでも固く、そして頑(かたく)なで、シアンは思わず悪戯をしかけたくなってしまう。


 でも──


「──…」


 そうしたら焦った彼が離れてしまいそうで

 この時間がすぐに終わってしまいそうで


「……」


 まだもう少し──このままで、だから

 シアンは大人しく瞼を下ろした。







「……シアン、お前の目は」


「──…」


「暗闇に閉じ込められようとも、赤くはならなかったのだな…」


「…そう、ですね」


 寝かしつけるように小さな声で話しかけてくる男に、シアンはうとうとと、ゆっくりと言葉を返した。


「それだけが、他のギョルグとは、違いました」


「……」


「瞳の色だけは……変わらな かっ た……」




 こんなに無防備な状態を、この男に晒すだなんて


 間違っている。シアンは心の奥底で自答しながら、彼の腕に抱かれて眠った──。








──…




/401ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ