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さようならも言わずに~恋は夢のように儚く~
第3章 弐
「判りました。お約束いたします」
「いつ頃、描いて貰えるかな」
そのときのお都弥の様子が、表情が妙だと何故、気付かなかったのか。後になって、嘉門はどれほど己れの迂闊さを責めたかしれない。
「今度、逢うときまでには描いて貰えるか」
重ねて問う嘉門に、お都弥は何かに耐えるような表情を向けていた。
「そう―ですね。今度、お逢いするときまでに」
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