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さようならも言わずに~恋は夢のように儚く~
第3章 弐
「お都弥」
「はい?」
店先に座ったお都弥が何故か、いつもより小さく見えた。夕陽に照らされた横顔は変わらず可愛らしくて、嘉門を惹きつけてやまないのに、どこか淋しげだ。
茜色に染まった横顔が透き通るようだ。
まるで、夕陽に透けて、今にも光に溶け込んで、お都弥そのものが消えてしまいそうな錯覚さえ憶えて、嘉門は焦った。
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