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僕のとなり
第6章 キス
天井が回っているのが見える。
僕は畳に座っていたのだが、段々と身体が左に倒れていくのを感じていた。
「おい、薫、大丈夫か?そこで寝たら風邪引くぞ!!」
僕は酔っぱらいちょっと呂律が回らない状態で答える。
「だ、大丈夫、だ、よ…」
「全然、大丈夫じゃないなぁ、全く…」
優真はそう言うと僕の身体を起こして支えてベッドへと横に寝かせてくれた。
ベッドに横になって優真の顔を見てみたけど、やっぱり二重にブレて見える。
天井を見上げると、やっぱり回っていた。
優真が心配そうに僕の顔を覗いてくる。
右手を伸ばし、優真の頬に手を当てた。
「大丈夫か、無理しないで少し寝てろよ…」
僕は優真のその言葉を無視して彼の顔に自分の顔を近づけ身体を少し起こした。
ちょっと煙草の匂いがしたけどその時、二人の目が合った。
「な、なんだ?薫?」
僕はそう話してくる優真の唇を自分の唇で塞いだ。
優真の驚きで大きく開かれた瞳が僕を見つめている。
真央とは違う唇の柔らかさを感じてしまった。
僕は優真の唇に触れると直ぐに身体を離した。
「優真は少しうるさいよ…」
僕はそう言うと“ふぅっ”と息を吐き笑って目を閉じた。
優真はフリーズしたまま大きく見開いた茶色い瞳で僕を見つめていた。