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僕のとなり
第13章 エピローグ
幸せの本質とは何だろう。
そう、考えずにはいられなかった。
幸せとは、個人が各々、感じる時に生じる現象だと思う。
幸せとは目に見えるだけのものではないと僕は思っている。
幸せとは、感じるものだ。
それに、幸せとはこれが絶対の幸せだという明確な定義がないと思う。
それは、個人に帰属するからだと思っている。
傍目から見て、どんなに不幸せにみえても、その本人が幸せだと感じたらそれはその人の本当の幸せになるのではないだろうか。
それから、毎日、何事も特別なことも起きずに淡々と過ぎてゆく毎日も幸せなのではないだろうか。
そう、感じてしまうのだ。
“足るを知る”と言う言葉がある。
辞書でこの言葉を引いてみるとこう書いてある。
「何事に対しても、“満足をする”と言う意識を持つことで、精神的に豊かになり、幸せな気持ちで生きてゆける」と、いうことを表している。
僕は、この“足るを知る”と言う言葉を知った時、本当に感動してしまった。
今ある、人、事、物に感謝して生きるという事だろう。
僕は、優真に出会えたことに本当に感謝していたし、その優真を受け容れてくれた両親や中村牧師にも感謝している。
僕のとなりには、いつも優真がいてくれる。
それだけで、僕はとても幸せなのだ。
そして、これから先も、一緒に生きてゆける事に喜びと感謝を感じている。
本当に“ありがとう”そう言いたい気持ちでいっぱいだった。
僕らの未来は限りなく明るくなるだろう。
(終わり)