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第6章 ナイトデザートビュッフェ

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『巴さん…折角ですし
この…螺旋階段で行きましょうよ』

Dの上半分みたいな、
特徴的な形をした
螺旋階段で１階まで行きたいと
彼が言うので。１階までは
螺旋階段で移動する事にした。

イグレックの…様子が、
窓になってる吹き抜けから見えるので。
１７時半から入れるらしいので
既に数組…食事を
楽しんでいる夫婦や女性客の姿を
ここから確認する事が出来た。

『大丈夫ですって、
巴さん。慌てなくても、
イチゴのスイーツは逃げませんよ』

十分な量は供給されるだろうから
スイーツが無くなる心配は
無さそうだけど…ッ。

世界一の朝食が頂けるだけでなく、
ナイトデザートビュッフェを
楽しむ事が出来る。

ダイニングイグレックは、
螺旋階段を１階まで降りた、
フロントのすぐ奥の場所にある。

ヨーロッパの……通り沿いにある
レストランのテラス席…の様な。
前に…来た時にも外なんじゃ？って
一瞬思ってしまう感じの
そんな…お洒落な雰囲気で。

お店の左右の壁がレンガの…
窓からツタが垂れている様な感じで。
お店の中央には…街灯が付いた
アーチの様な物があったり。
上を見上げると、ビニールの…
お店から…張り出してそうな…
そんな屋根が…見えるから。

ここに来るだけで…
海外旅行した気分になれる。

『前に朝食来た時も
思いましたけど、
どう見ても建物と建物の間の
中庭みたいな感じの雰囲気で
外にしか見えませんよねここ』

予約してる生田ですと、彼が
入口に立っていた
女性のスタッフに伝えると。
予約席のプレートが掲げてある
テーブルに案内される。

ビュッフェ…と聞くと、
こう…大皿にどーんと…
切り分けられたケーキが乗ってて
小さいトングとか、ケーキを
ケーキ―サーバーで取る感じの…。

パスタとかピザのフード類も…
自分で取りに行くイメージの。
そんなスイーツビュッフェを
想像していた…んだけど。

ここの…イグレックの
ナイトデザートビュッフェは。
想像していた感じとは違っていて。

最初に…大きな木製の
プレートに…メインの料理と
イチゴのスイーツが綺麗に
盛り付けられて運ばれて来て。