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君とセカンドラブ
第4章 誠一という男

それから誠一と晴海の付き合いが始まった。

3ヶ月が経ったころには晴海の妊娠がわかった。
予定日から計算すると
筆下ろしをしてもらったあの日に懐妊したのだ。

トントン拍子に縁談が進み、
お腹が目立つ6ヶ月に二人は入籍した。
人生のパートナーと新たな命が誠一の肩にのし掛かったが、まったく苦でもなかった。
いや、むしろより一層のバイタリティーがどんどんと溢れてきて、仕事を順調にこなして出世街道に乗った。

主任という肩書をいただいたその日、
晴海から陣痛が来たと連絡があった。
急いで自宅に帰り、タクシーで病院に向かった。
ストレッチャーで分娩室に連れていかれる晴海に
「頑張れよ!」と声をかけたら
「産まれる子は男の子だから、遼太って名前がいいわ」と額に脂汗を滲ませながら誠一にそう言ったのが最後の言葉になった。

二時間、三時間、四時間と
いくら待っても分娩室の中からは産声が聞こえてこない。
五時間が経過してようやく「オギャー」と元気な産声が聞こえた。

それと共に看護士が分娩室を何度も出たり入ったりと慌ただしくなってきた。

そして…
産着にくるまれた新生児と対面すると同時に
産科医から晴海の臨終を聞かされた。
人生最大の喜びと悲しみを誠一は同時に味わった。



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