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第3章 梨花さんとの関係がバレる。梨花さんと愛を確かめ合うセックス。

梨花さんが
勤務時間にどのような人と
どう接触しているのか
まったくわからない。

それとなく居合わせた
パートさんの話を聞くと、

どうやら
吉井副店長が梨花さんに
ちょっかいを出しているとかいないとか。

僕はどうしようもない不安にかられた。


でも、
そんな顔を梨花さんに
見せるわけにはいかなかったから、

出勤日には
「お疲れ様です」
というそっけない挨拶をするにも、

不満げな顔を見せないように努力した。

ただ、吉井副店長の動向には
アンテナを張り巡らせて
それとなくパートさんの情報網から
吉井副店長の話を聞き出した。

このころ、梨花さんは、
決まって平日の午後二時ごろ
僕に電話をくれた。

ケータイから僕に電話することはない。

午前中のレジの閉め作業を終えた後に
ファミレスの事務室の
固定電話からかけてくる。

その、
事務机が一つ設置されただけの小さな事務室は、
完全個室になっていて、
金庫や勤怠表などが管理してある関係で
施錠もできるのだ。

僕は大学にいる時間で、
梨花さんから着信があれば
講義中だろうがゼミの最中だろうが
部屋から飛び出して電話に出る。

大学で学んでいることのすべては
梨花さんの存在に比べたら些末なものだ。