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愛欲と追憶の日々
第6章 直樹
飲み会が終わる頃、直樹が誘ってきた。
「この後、また一緒に飲まないか?」
「え?この後?」
「ちょっと愉しい事しにいこうぜ…」
そう言うと直樹はニヤリと笑うのだった。
居酒屋を出ると、私たちは駅近くにあるラブホテルを探した。
道行く人は皆、どことなく酔っぱらっている様に見えた。
それは、私たちが酔っぱらっていたからかも知れない。
ラブホテルの看板が夜の闇に妙にいやらしく輝いて見えた。
そのひとつのラブホテルに私たちは吸い込まれるように入って行った。
週末とあって空いている部屋はひとつしかなかった。
そのひとつを選ばずにはいられなかった。
直樹が部屋のボタンを押した。
受付の女性からルームキーを手渡される。
そのルームキーを受け取りエレベーターに乗り3階で降りる。
303号室の部屋のランプが赤く点滅していた。
その部屋に私たちは入って行った。
部屋に入ると小さな狭い玄関の様なところで私たちはキスをした。
お互い、これ以上我慢できない状態だった。
キスをしながら、お互いの服を脱がせてゆく。
二人の荒い吐息が部屋を包んでいた。
この後、どの様な展開が待っているのかを私は想像していた。
すると、身体の奥深くから熱い何かが込み上げてくるのを感じていた。