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生贄の 人妻
第6章  突然の電話
バスローブのまま 入口に有った スリッパを履き
ドアをノックすると 扉を開けた 森と視線を合わせた時
月曜日の夜に 玄関を入って来て麻衣を見る拓哉と
同じ光を 森の瞳の奥に浮かばせているのが見え
森は 部屋に入って来た麻衣を見つめ 
大きな体が 麻衣を包む様に抱き締めて
耳元に小さな声で

「 ありがとう 」

「 ありがとう 」

奮える体で 麻衣を抱きしめ 繰り返し
囁く様 言い続けて居た
ジャケットを脱いだままで ベッドに座って居たのか
ベッドが沈んでいるのを 麻衣は抱き締められた体で見て
森は麻衣を抱きしめたまま 体を震わせ

「 ありがとう・・・ 」

何度も繰り返して 幼子が母親へ縋る様に
麻衣を抱きしめ 震え続けている

「 ベッドへ・・・ 」

麻衣が囁き 体を外され 麻衣をベッドに森は寝せ
添い寝をするように 大柄な体を麻衣に沿わせ
麻衣の背中にに手を回して 森は麻衣の胸の上に
大きな頭を乗せ 小さく身体を震わせて

「 恐かった・・・ 」

吐き出す様に呟く
麻衣が大きな背中を軽く叩き
麻衣の大きな胸の上で 顔が動いて
胸の膨らみを 確かめる様に動き 
大きく 息を吐きだして 体の震えは止まり
バスローブの下の 心臓の音を聞く様に
森の顏は麻衣の胸の上に押し当てられ
部屋の中に 静かな時間が流れ続け
森の吐き出す 微かな音だけを
麻衣は聞いていた

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